⚫Re:birth / Acid Black Cherry
ABCの9枚目のシングル。
前作「優しい嘘」から1年振りの発売で、オリコン2位。
ゲーム主題歌としてタイアップした曲でもある。
MVは、はじめてCGを駆使して制作された。
▪️ABC復活!第二章の始まり。
2nd Album『Q.E.D.』ツアー直前、yasuに声帯のう胞(ポリープ)が見つかり、急遽ゲネプロを中止。
ツアー自体の中止も検討されたが、yasuの強い意向からライブは予定通り行われた。
本調子ではないながらも、全ツーしたABCは、それから活動休止を発表する。
この曲は、既に出来上がっていた曲に、ツアー中歌詞を書いてレコーディングしたので、声は本調子ではないみたい。
でも、歌詞には当時の生々しいyasuの心境が綴られており、ファンから人気根強い曲の1つである。
内容は決してポジティブではないし、サビもキャッチーとは言えないのだが、やはりyasuの苦悩やもがき苦しんでいる気持ちが歌が代弁してくれている、そんな曲になっている。
しかし、別に歌のことや喉のことについて深く触れたものではなく、あくまでも全ての人に共通したもどかしさを表した曲である。
だから、たくさんの人の心に届いて共感を得られる曲なんだと思います。
僕も、仕事やプライベートで悩みが増えて、かなり落ち込む時期があったのですが、この曲を聴いて励まされたし、この曲があったからこそ乗り越えられたと思ってるし、yasuには感謝しかありません。ありがとう、yasu。
▪️絶望の中から見える光
「Re:birth」 を引っさげ、迎えた2010年のツアーは、横浜・名古屋・大阪の3都市だけの、公演数としては物足りなさもあるツアーであったのですが、復活のためのリハビリという感覚でファンに届いたようで、これはこれで良かったのかな、と。
DVDでLIVE映像を見ても、かなりyasuが勢いつけてツアーに臨んでいるのが見受けられます。
唄い方や煽り方が違いますね。
また、このLIVEからMCをDVDに収録するようになったんです。
あとは、ABCから黒髪だったyasuが髪を赤くして(明るくして)臨んだツアーでもあり、これまでのサポートメンバーからギターがHIROさんに替わり、ドラムがシークレットライブぶりのMAKOTOに替わった貴重なツアーでもありました。
はじめて尽くしのツアーで、のちにyasuがこんなことを言っていました。
「この頃からLIVEの魅せ方とかを意識しはじめた」
ABCは、照明や音響にかなり気を配っている印象を受けますが、特にこの頃から意識していたみたいです。
確かに、DVDで見ると、ABCメンバーと会場との一体感をより感じられる中身だと思いましたね。
人気が出てきて、これからというときに唱えなくなり、絶望にさいなまれていた中で、この「Re:birth」という曲とツアーで見えた新たなABCの形が、後々人気を強める後押しをしたんだなって。
ちなみに、このツアーでは普段とは違うギターメロディが聴けます。
個人的に、このツアーでのHIROさんの暴れっぷり大好きです!
▪️心の叫び
「Re:birth」とは、再生や蘇りを意味します。
まさに、yasuが喉の病気から復活したツアーでした。その表題曲でした。
応援ソングって、これまでにたくさんのアーティストさんが出してきたと思います。
頑張れ、とか。
心配ない、とか。
まだやれる、とか。
負けるな、とか。
たくさんの励ましの言葉や鼓舞する表現って、本当に限界までやってたりどん底にいる人間に対しては、むしろキツい言葉だったりするんですよね。
世の中には、そういった言葉よりも、今のつらさを嘆き悲しみつつも、これまでの過程を認めてあげることの方が次に繋がることってあるんです。
この曲がまさにそうで、決してポジティブな思考で作られていないし、むしろマイナスな雰囲気が漂う歌詞だけど、それがむしろ胸に刺さるというか共感させられるというか。
特にこの
"「もう無理 歩けない」何度も挫けながら それでも歩いて来たんだろう?"
という歌詞にはやられました。
yasuは今、きっと周りからの心配の声をよそに、心配させないために笑顔で接していると思います。
でも、それはきっと強がりであり、yasuなりの優しさなんじゃないかな?
本心は、誰にも自分の気持ちなんかわかんないんだから、軽々しく頑張れとか言うなよって気持ちなんじゃない?
また、ツアーを中止したり活動休止と宣言したりしたことを悔いているんだろうね。
もしかしたら、そんな想いを超えて、強くなろうとしているようなら…いや、必ず強くなって更に魅力的な人となって帰ってくると信じているけど…新しいyasuが僕達の前に現れるんじゃないかな?
ポジティブに考えるなら、この「Re:birth」という曲のような…いや、それを超える名作を作ってくれるんじゃないか、と期待しちゃいますね(笑)